Chordcat日記 5日目 調性音楽的な提案をしないChordCruiser|うりなみの見出し画像

Chordcat日記 5日目 調性音楽的な提案をしないChordCruiser|うりなみ

前回はボイシングについて、Chordcatの一般的な表記ではない表記について見ていきました。

では、今回は目玉のChordsetとVoicingについて見ていきます。

今回、Scalerとの比較をしようと思っていたんですが、Chordcruiserについて一回は書いたほうが分かりやすいと思いましたので、Chordcruiserについてみていきましょう。

なかなかに尖っていることがわかると思います。演奏出来る人にも面白いと思うんですけどねえ…

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モノフォニックとポリフォニック

難しいことは一つもないんですが、注意を一点。
オカリナなどのモノフォニック(単音しか鳴らせない楽器)の場合は最後にならした音しか鳴りません。

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オカリナなどは当然モノフォニック。Chordcatは単体でトラックを完成させる事が出来るグルーブボックスなので、モノフォニックとポリフォニックの切り替えが出来る。ちなみにCharcterモードではローパス、アンプエンベロープ、ポルタメントが切り替えられるため、Chordcat単体でもかなり音作りは可能。

ですので、PCでコードを入力したい場合は、ポリフォニックの楽器に変更するか、モノフォニックをポリフォニックに変更する必要があります。

初回でみたように、グレーのものの機能を呼び出すにはshiftキーを押しながらやればいいわけですね。それさえ覚えていれば、Chordcatは楽に使えると思います。以下、やり方です。

1. [Track]ボタン を押してトラック選択モードにし、設定したいトラックを選びます。今回は1トラック目のオカリナを変更することにします。

2. [o]ボタン(SHIFTボタン)を押しながら[Sound]ボタン を押して、「サウンドキャラクター設定モード」に入ります。

3. [<]ボタンまたは[>]ボタン を押して「Mono/Poly」を選びます。

4. XYパッド に触れて、発音方法(MonoまたはPoly)を設定します(左右で選択)。

これで安心ですね。私ははじめ、モノフォニックにして絶望していました。ちゃんとマニュアルをご覧になる皆さんなら大丈夫だと思いますが、一応書いておきます。

では、目玉のChordcruiserモードの使い方です。

ChordCruiserモードの使い方

  1. Chordcruiserモードに入る
    ◦ [Cruiser]ボタンを押します。
    ◦ [Cruiser]ボタンが点灯し、Chordcruiserモードになったことが表示されます。
  2. コード候補を提示させる
    ◦ キーボードのタッチキーに触れて、最初のコードを鳴らします。
    ◦ XYパッドに、そのコードにマッチする次のコードの候補が光って表示されます。
  3. コード候補を試聴・絞り込む
    ◦ XYパッドの点灯している位置に触れると、そのコード候補を試聴できます。
  4. コードをキーボードにアサインする
    XYパッドの任意の位置に触れたまま(コードを試聴しながら)、キーボードの点滅しているいずれかのタッチキーに触れると、選択したコードがそのタッチキーに設定(アサイン)されます。

間違いやすいとしたら、4ですかね。XYパッドを押しながらタッチキーにアサインする。始めは戸惑いました。「コードが鳴らない」と絶望しました…

ボンクラ過ぎますね・…

覚えたらなんてことはないんですけれど。

ChordCruiser機能は調性音楽的なものとは全く別の提案をしてくる

これが一番の肝なんではないでしょうか。デモソングのDnBで試したところ驚きました。

タッチキーの1にはEmaj7(9)がアサインされているので、ダイアトニックなものが提案されるかと思ったら、そうではなかった。

XYパネルの1に提案されるものこそBmaj7(9)でキーがEなら、まあ、サブドミナントで普通です。

なんですけれど2〜8番目まではMaj7(9)系統です。

それがクロマチックで提案される。コンスタントストラクチャーです。

調性音楽的な作りでは全くない 。面白いのはスプレッドボイシングになっていたり、単体のボイシングでかっこいいものを選択している。

**いままで、コード支援系のソフトや、ハードもありますが、明確に違う個性です。

調性音楽的に作らんぞ** という強い意志を感じます。9番目に提案されたのはこれです。

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F#maj/G#

ハイブリッドコードです。コードネームで書くなら、Ab7sus4(9)となりますかね。ハイブリッドコードの特徴は3度を含まないことにあります。

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Chordcatはsus系コードの提案が非常に多い特徴がある。

物凄くざっくり言うと、メジャーかマイナーかで出来てるのが調性音楽なわけですから、3度を含まないコードと言うのは非調性音楽的なわけです。

そして同形のコードを連結していくようなものは、サンプリングだと当たり前ですよね?

こういうのをコンスタント・ストラクチャーというのですが、Chordcatはこれを提案してくる。

ダイアトニックコードと言って、そのスケールの中で作られるコードがあります。調性音楽的なわけですが、Chordcatはそういう提案をしない。

これは非常に面白いですね。

キーをEメジャーとして、ダイアトニックを仮定するなら、ダイアトニック進行のF#m7なんか出てきそうなものだけれど、そういう提案はしません。

ドミナント7th系として明確に提案するのはXYパッド16がC#7ですが、キーがEメジャーとしたらⅢ7になります。

ブルース的ではありますけど、調性音楽的には提案しないはずのものですからね。なかなかに尖ってます。

ドミナント7として機能するのは他にXYパッド12ですけど。Chordcatを使う人がドミナントと認識して、機能和声的に使いはしないと思います。

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Gm7b5/A 前回の記事では、一般的な表記ではないと書いたものです。 一般的な表記なら、A7(9,13)と表記されます

これもまた、特徴的です。Eをトニックとして考えても、Bをトニックとして考えてもダイアトニックではないわけです。

おそらくですけど、ボイスリーディングを考えて提案してるんでしょうね。

ボイスリーディングと言うのはコードをスムーズにつなげるように、出来るだけ構成音を近づける手法のことを言います。

実に面白いです。他にもマイナーも9thではなくて11を提案したり、「え、そう来るのか?」というものの連続です。

Ezkeys2などもコード提案機能は強力ですが、Chordcat程は振り切ってないですね。生楽器らしいフレージングなどでMIDIデータが欲しいのであれば、EzkeyzはChordcatの補完になると思います。

ドミナントモーションやパッシングディミニッシュ、3度ベース、トライトーンサブと言った手法は提案されない。

でも個人的には問題にならないと思ってます。覚えればよいわけですしね。

そして、それは他のソフトでいくらでも代替出来ますし。

Chordcatの様に、調性音楽とは全く違う提案するものはない ので、演奏出来る人が持っていてもいいと思います。

鍵盤アレルギーがある方は、ハードコア・パッドスタイル、いかがですか?自分でコード進行も作れますよ…

手形で説明しているので、譜面がわからなくても大丈夫です…

と、64パッドをゴリ押ししたところで、更に見ていきましょう。

Voicingについて

Chordcatには、同じルートで違うコードタイプを試せるVoicing機能もあります。

例えばルートがCの場合、Cmaj7、C6、add9 、パワーコードなど様々なコードタイプを簡単に比較・選択できます。

これも鍵盤が弾けない方には便利な機能だと思います。

メジャーならメジャー系コードのボイシング、マイナーならマイナー・メジャー7thなどマイナーのバリエーションが選択出来ます。

もともとあるコードセットなどでバリエーションが欲しい時に役に立つんじゃないでしょうか…

まとめ

良い感じの響きのコードをつなげて作る。一言で言ってしまうとこれがChordcatのコンセプトなわけですが、今まであるようなものは作らんぞと言うメーカーの明確な意思を感じました。面白かった。

コード単体に重点を置いている と言う点では、他と全く違う個性があるのがポイントと言うことですね。

個人的にはサンプリングしてる感覚で作ったりしても面白いんじゃないかと思います。

DAWで使うなら、MaschineやMPC的に良い感じのコードをどんどん録音していって、変形していけばいいですしね。ループで作るのには特に適していると思います。

同じコードタイプで全音や半音でループするようなもの、オールドスクールなhip-hopやR&Bなどでは沢山ありますよね?

ああいうのはコード進行の複雑さと言うより、単体のコードの力が大きい。

こういったビートを作りたい時には非常に強い。

一方でChordcat単体で調性音楽的なものを作ろうとするのには向いてない。

出来ますけど、知識がないと難しい側面がある。

でも、別に、知識と言ってもこの記事で書いたくらいの知識ですみますし。

こういうコンスタント・ストラクチャーとボイスリーディングを考えて提案するのはあきらかに他の機材では出来ないことなので、私はその革新性を高く評価したいです。

DAWと組み合わせて作るのであれば、Chordcruiserでは提案されないドミナントやパッシングディミニッシュなどもChordsetを切り替えれば、制限なく使えます。

単体で完成させるのも面白いですけど、調性音楽的なものもちょっと知識があれば楽しめる。

見た目のシンプルさからは想像出来ないほど、強力で尖ったマシンです。

ボイシングを学ぶだけでも正直元は取れると思います。

ノン・キーボーディストで耳コピが出来ない人だとこういうモーダルなものやオープン・ボイシングを学んで、適切なレジスターに配置してとなったらかなり時間が掛かるはず。

まして譜面も読めない、楽器も弾けないとなったら、パッド以外だったら数年それなりの時間を費やさないと難しいです。コンスタント・ストラクチャーって鍵盤で弾こうとすると大分面倒くさいんですよ。

パッドなら楽勝ですけど。

次回はScalerとの違いを見て終わりにするか、AbletonのExpressive Chordsと合わせたような活用法までやるか考えてみたいと思います…

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