環境を作ることにしました。その理由。|うりなみ
ハードコア派の皆さん、こんにちは。
3月の改善報告でもお伝えしましたが、64Pad Explorerに物理モデリングを搭載しました。音源を物理モデリングだけに置き換えました。
64 Pad Explorer — スケール・コード・ボイシング可視化ツールコードがわからなくても大丈夫。64パッドでスケール・コード・ボイシングを可視化。ギター・鍵盤からのコード判定、MIDI書きmurinaikurashi.com
なぜ、物理モデリングか
物理モデリングにした一番の理由は、可処分時間の短さに対応するためです…
サンプル音源だと読み込み時間に時間がかかってしまいますからね。DAWを立ち上げるよりは絶対に早いんですけど、もっと短くするべきですし。
こちらにも書きましたけど、とにかく環境整備をしないといくらコンテンツを作っても音楽を続けることが難しいんだなと一年コンテンツを作りまくってわかりました…
ハードコア派の皆さんはとにかく時間がない。HPSに参加してくださってる方は、ライフステージ的にも忙しい方が多いはず。
私は一日30分、練習に使う時間があれば、十分上達出来ると考えているんですね。
HPSで一番練習されてるのはgoryugoさん。
goryugoさんのいまの状態はかなりハイレベルです。
- コード譜があれば弾ける
- コードとメロディを弾ける(今はスタンダードを練習されています)
- コードトーンやクロマチックアプローチを使ったアドリブが出来る。
- 12キーで弾ける
goryugoさんで年間300時間くらいは練習されたとおっしゃっていて、これ、生楽器だったらおそらく10倍掛かっても出来ないくらい効率がいいんですね。
12キーで弾くことは難しいですし、ちゃんと音を出せるようになるまでにかかる時間も考えるともっと時間が掛かっても不思議はないですよね。
でも、すでにあるHPSのコンテンツをやれば十分到達できるんです。あと、goryugoさんはDiscordで練習動画と質問をほとんど毎日してくださった。
フィードバックループが上手く働いた。
そして、goryugoさんですら、HPSのコンテンツ全ては終わってないと思います。今ある量でも全部やったら2年でも終わらないかも。動画も長尺のものもありますしね。
コンテンツを増やすことが音楽を生活の一部にする方法ではなかった
ということは、めっちゃコンテンツを作りまくって来たわけですけど、音楽を生活の一部にするという目標とはズレがあったんではないかと…
64パッドをマスターするという観点だと今あるコンテンツを使いやすくすることに力を入れないとダメではないかという結論になりますね。
そんな事もっと早くに気づけよと言われそうですけど、ボンクラですから…
HPS本編20,000字超えていたりしますからね…
こういったものももちろん短く読みやすい形にしていく必要はある。今、その準備も進めています。
でも、やっぱり、一番の原因は音を出すまで時間がかかること、モチベーションを維持できるようにすることではないかと思いました。
自己効力感、おじさんになればなるほど持ちにくい。われわれ生きるので目一杯ですからね…
やれば出来るようになる。けど、やれる時間が取れない。だから、そのブロックをなんとかしないといけない。
楽しく弾けるようにしたい
Discordに練習動画を上げてくださっていた方はやっぱり上達の速度が全く違うんですね。
見落としがない限りは100%私がフィードバックしてます。上達までの時間を短縮できます。悪い癖つかないですし。
HPSの価値、一年前は記事にあったと思うんですけど、今、一番価値があるのはレッスンとDiscordです。だって、レッスンして動画とって、その方に一番必要な情報をまとめているわけですから。
そして、Discord、いわば365日レッスンということになっているので。
ただ、Discordに参加するのに抵抗があるのも分かる。
流れが早いですしね。
なかなかコメントも、心理的に重いのもあるかもしれない。
できれば参加して動画上げて頂きたいですけれどもね。
Xみたいに危険な場所ではありませんから。
でも、ここの解決は難しいかもしれない。
じゃあ、音楽を生活の一部にするため、演奏できるようにするならどうすればいいのか。
goryugoさんのレベルまで到達したら、自分で何を勉強すればいいか、自分なりに工夫して、音楽を一生やっていくことが出来る。
その状態になることを考えないと。私はパッド先生なんだから。
私が必要無くなるのが目標ということになりますね。
基礎的な技術をいかに早く身につけてもらうか。
パッドに触れる量が増えれば確実に上達するのは分かっているわけです。それらの障害を一つずつ潰す。
DAWの付属音源の問題
HPSのコンテンツは、私の専門のソウル・ファンク・ジャズ・ブルースというジャンルから作られているし、音源もそういうものです。モテると信じている。
バツ2の叡智の塊と言えましょう…
オールド・スクールなブラック・ミュージックの音源で構成されているわけです…
となると、なかなか付属音源だと感じが出ない。
で、感じがでないと、やる気もでないですよね。モテそうにないと思ったら練習する気も半減します。
だから、こういう記事も作った。
私はEzkeysのDreammachineとMODOBASS2とEzdrummerか、AbletonのSuiteで出来るものでしか作っていません。シンプルにはしているつもりではあった。
でも、DAWはお金がかかります。時間もかかる。
DAWを買ってパッドを買って、その上、プラグインまでとなると、ハードルが高すぎる。やっぱりね。
そして、バージョンアップがあったりするとせっかく買ったプラグインも使えなくなることもあるわけです。
DAWのバージョンアップだけではないです。OSのアップデートでもダメになることがある。
コストの問題が重くのしかかってくる。
金銭的なコスト、習得コスト。音楽以外の習得コストは減らさなければならないとなかなか継続することは難しい。
DAW付属のエフェクトの問題
じゃあ、音源だけあればらしくなるのか?というとそういうわけではないんです…
HPS4回から練習ファイルをつけているわけですけど、これも色々工夫してあるんですね。
そして、そもそも今のDAWについているエフェクトとHPSが目指すオールド・スクールな質感というのは全くエフェクトの方向性が違います。
なぜ方向性が違うのか、もう少し詳しく話しますね。ちょっと長いですけどお付き合いください。
オールド・スクールなソウル・ファンク・ジャズが録音されていた時代、音楽制作の環境は今とは根本的に違いました。ホンマに違うんですよ。
テープ
まずテープです。
当時の標準的なスタジオは15 ips(インチ・パー・セカンド)で録音していたと言われています。
テープというのは理論上はそれなりの高域まで出るんですが、現実には15 ipsだと15〜16kHz付近からロールオフが始まります。
このあたりの技術的は話はPad Senseiの方でまた話します。
もっとコストを抑えたい場合7.5 ipsで録音することもあった。そうなると10〜12kHzあたりからもう落ちてくる。
サザン・ソウルなんかだとリリースするものだけ後でホーンをオーバーダブしたりしたというのもあったわけですし、モータウンだって、弦を入れる時はスネークピットでは録音出来なかったわけです。
今のデジタル録音がCDも22kHzまで出るのとは全く違う世界ですね…
オーバーダブしたら高域はさらに落ちる。
そして、磁気漏れってのがあるわけですね。隣のトラックに音が被ったりする。
ハードコア派の皆さんはテープのMTRを使っていて、モコモコになった経験ありません?
クリーンに分離してという今のDAWとは違う。ブリードがあってなんぼという世界です。
デジタルではいかにノイズを減らすか発達していったわけですからそもそも真逆なのは当然ですね。
でも、これだけじゃないんです。
テープにはテープコンプレッションという現象があります。
磁性体には飽和特性があって、音量が大きくなるほど自然に圧縮される。トランジェントが丸められて、偶数次倍音が加わる。
太さって、そういうものだったりする。
楽器奏者でテープを使った事ある人だと打点が太くなったような感じがあったり、耳が痛くない感じになったりするように感じたことあるんじゃないでしょうか。いい感じで歪んだりもしますね。
そういうサウンドは当時の録音環境に由来してます。
で、実は今と違うことはまだまだたくさんあるんですよ…
レコード
テープで録音した後はレコードに落とすわけですが、レコードにはレコードの制約があります。
針飛びを防ぐために低域をカットしているんですね。
再生帯域の上限も良くて20kHz前後、実際の盤面ではもっと早く落ちているものも多い。
それだけじゃないんですよ。
内周と外周では情報量違うわけですからね。更に内周のものはハイが落ちます。
モノラル盤も多かった。ステレオが普及したのは60年代以降の話です。
コンプ
コンプレッサーはどうか。
当時使われていたのはLA-2AやUREI 1176、dbx 160といったフルバンドのコンプです。160は70年代後半ですけども。
このあたりのコンプの仕組みなどはこちらの記事をご覧ください…
SoftubeのFet Compressor mkⅡは色々凄かった | 無理ない暮らしSoftubeのプラグイン「Fet Compressor mkII」の機能と使用感をレビューし、1176系コンプレッサーとmurinaikurashi.com
マルチバンドコンプで帯域ごとに細かく制御するという発想自体が、当時はなかった。もう今と根本的に違う。
EQも同じです。パラメトリックEQが発明されたのは1972年ごろ。
それ以前はPultecのようなパッシブEQか、シェルビングのみ。大雑把に言えば、周波数を細かく狙い撃ちする道具がなかった。
EQどころか60年代だとマイクの距離でホーンなんかはバランス取っていたわけです。
近接効果なども考えていい位置で録音していたんでしょうけど…
アル・シュミットの本読むと、マイクだらけなんですけど、現代と前提が全く違うのが分かる。
で、現代のDAWはというと、インラインコンソールを模倣した設計で、マルチバンドコンプが標準装備で、パライコが当たり前で、22kHzまでフラットに出る。
全部オールドスクールより後に出てきたものばかりです。
だから現代のDAWでオールドスクールな質感を出すのは至難の業です。道具が根本的に違うんだから。
なんというか技術的にはわざわざ性能を落とす方向に調整しないといけないということですね。
私は音楽的だと思ってますけど。
じゃあ、どうするか。作るしかない
そこで私がやることにしたのが、64 Pad Explorerにそのエフェクト環境ごと作って入れてしまえばということです。
いい感じの音で練習できたらいいやろと。モテそうな音色のほうがやる気が出るでしょう?
テープの磁気飽和もレコードの帯域制限もフルバンドコンプの質感も、最初からそうなっている環境を用意できればいい。
DAWを使わなくていい。プラグインを買わなくていい。設定の知識もいらない。
もちろん、いきなり全部は出来ないんですけどHPSで最も使用頻度が高いエレピをまずモテそうな感じにする。
今回トレモロを実装したんですけど、トレモロって理屈の上では単純なんです。
でもね。これでは、モテそうな感じにならないんです。我々にとっては大問題ですね…
今回、モデリングで加えたのは光学式のトレモロなんです。
細かい説明は今後、Pad Senseiで説明しようと思いますけど、このとろけるようなトレモロは、単純な音量変化だけでは表現出来ないんです。
トレモロサウンドはエレピの音色の一部です。だから、やらざるを得なかった。
練習する時間を音楽以外の習得コストに使ってほしくない。
あ、プラグイン買ってくれるなら大歓迎ですけどね。徳を積んでいただくと政策金融公庫に追加融資を断られたので、めちゃ助かりますけどね。
フフフ…
でも、プラグインを買うお金の分、労働時間が増えるのは、音楽を続けることから遠くなる。
紹介しているものはいいものであることは自信を持って言えるんですけどね。
ですから、出来る限り、音源を買わずにエフェクトも買わずにすむようにします。
基本的な機能はハードコア派以外の方も無料。
オールド・スクールに寄せたエフェクトを今後は開発する。
全部ソウル、ファンク、ジャズ、ブルースなどであるような質感のプラグインなどをPad Senseiという名前で作ってていこうと。ヤケクソです…
今後も開発を続けますけど、ハードコア派の皆さんには無料で提供します。
今回、Suitecaseのモデリングもつけたのでお楽しみください…
こういう情報は書くことに意味があるとは思うんですけどね。
でも、さっと気持ちよく弾ける環境を作るほうが優先順位は高い。
じゃあ、それ以外に出来ることはないか。考えてみました。
練習会的なこころみはどうか。
で、とにかくモチベーションを高めることです。
地獄プランが弾けるようになれば、かなりものが弾けるようになる。これは間違いない。
地獄プランに至るまでの道筋を軽くすればいいのかなと。HPS4回までと地獄プランが弾けるようになったら、あとは重くない。
HPS本編を全部やればインプロまで弾けるようになる。それはgoryugoさんで証明されている。
三井田君は全然練習しないんですけど、私とのレッスンだけで弾けるようになってますからね。
練習時間少なくても、レッスンなどで弾けばできるようになる。
それならZoomでレッスン、練習会的なものにすればいいんじゃないかと。そちらなら質問しやすいはずですし。
で、64Pad Explorerで立ち上げていただければ、DAWを立ち上げる必要もないわけですしね。パッドさえあればいい。
三井田くんは練習してください…
前回、ハードコア夏期講習、251特集をやるとお話して、これなら、HPS本編の9回目、10回目の内容を話しつつ行けると思っていたんですけど、そもそもコンテンツが多すぎて出来なかったのかもしれない。
このままだとgoryugoさんと超ハードコアなインプロやボイシングの話に突入してしまう。それはそれで面白いような気もしますけどね…
となると方向性が違ったなと。みなさんが参加しやすい形を模索しながらやっていくことになりますかね。
時間も30分以内でやろうと。10分解説。10分練習、10分質疑応答みたいなのならやりやすくないでしょうか…
Lovin' Youの進行なら、コードフォーム2つだけ弾けるようになる。こういう形でやっていこうと思います。
とにかく、楽しんで、音楽を生活の一部に出来るような形を模索します。今年はオフ会や各地で練習会みたいなものやれたらなと感じています。
HPS会員の皆様におしらせ
こちらがHPS会員の皆様用のアカウントです。
次はスプリングリバーブの実装ですかね。
スプリングリバーブの実装が終わったら、VST,AUなどのプラグインとして配布します。
そして、64Pad Explorerに関してなんですけれども、スタンドアローン版のみ配布が適切かなと考えています。
5月上旬のリリースを目標にしています。
プラグイン、動くは動くんですけど、他のDAWでPUSHを使うということでは動くんですけど、完全には使えない。LaunchpadやLinnsturumentならちゃんと動くんですけどね。
あと、私のリソースとして全てのDAWで動作確認を取ってということは出来ませんから…
全てのDAWで、パッドを表示させられるというメリットはある。
コードやスケールを確認できるメリットはあるので、ダウンロードリンクは貼るけれど、ちょっとサポートは難しいという形になりますかね。
今後は記事もそうですけど、音源、エフェクト、練習会と、日本をパッド大国にするため、鋭意努力します…









